2011年1月5日欧州連合(経済見通し)
欧州委員会は、欧州連合(EU)の経済見通しを公表し、2011年のユーロ圏成長率は政府が歳出削減を進めるなか小幅鈍化するとしたが、2012年は民需が成長を押し上げるとの予測を示した。 見通しによると、ユーロ圏の2010年成長率は1.7%、11年は1.5%、12年は1.8%。 成長を牽引するのはドイツで今年は3.7%、来年は2.2%、12年は2.0%と見込んでいる。 EU全体では今年が1.8%、来年が1.7%、12年が2.0%と見通している。 レーン欧州委員(経済・通貨問題担当)は記者会見で「民間需要全体が強まるなか、景気回復は予測展望において自律的な力が増すと予想される」と語った。 ユーロ圏の総財政赤字は2011年、12年と縮小するが、債務総額は増加するとみられている。なかでもベルギーとアイルランドは国内総生産(GDP)を上回る債務になるとしている。 ユーロ圏の財政赤字は、GDP比で今年6.3%、来年は4.6%、2012年は3.9%に低下する見通し。政府債務はGDP比で今年は84.1%、来年は86.5%、2012年は87.8%に拡大すると予測している。 EU加盟27カ国のうち、今年財政基準のGDP比3%を満たすのはエストニア、ルクセンブルク、スウェーデンだけで、11年にはドイツ、フィンランド、ブルガリアが3%以下に収める。2012年にはオランダも達成する見通し。 アイルランドは今年は32.3%、来年は10.3%、12年は9.1%。ポルトガルは今年は7.3%、来年は4.9%となるが、政策変更がないと仮定すると12年には5.1%に拡大すると見込んでいる。