2010年9月24日 ハンガリー(ハンガリー動乱)
ハンガリー警察は、現在、共産時代の秘密警察トップの取り調べをしている。 対象となっている人物は、1956年のハンガリー動乱時の内務大臣であり、体制転換まで政府内部の主要なポジションにいたベーラ・ビスク氏89歳だ。同氏が、動乱時処刑された225人にどのように関与したかが、取り調べの核となっている。 体制転換後、ここにきてハンガリーの警察が、50年以上も前のことを、持ち出しているのは、今年初頭の国会で、それまで不問に近かったハンガリー動乱時の責任追求が開始される法案が通ったことによる。 体制転換から20年が経過し、いまさらその問題を持ち出されてもと思うが、ハンガリー動乱を経験した多くの方が、現在でも生きていることから、ようやく、当時の真実、責任の所在を追求できる機会でもあるようだ。 東ドイツ出身の友人に聞くと、ドイツは、現在でも学生時代の共産党員だったインフォーマーと目される人々に対する風当たりが強いという。歴史の負の遺産が、生き証人がいる間は、引き継がれていくようだ。